顎下腺腫瘍
顎下腺腫瘍
顎下腺(がっかせん)とはあごの下にある、唾液を作る唾液腺の一種です。顎下腺腫瘍はこの顎下腺に腫瘍ができる病気です。この病気には良性も悪性もあります。
どんな症状が出る?
この病気は首やあごの下にしこりができて気づく場合が多いです。少しややこしいことですが、正常な顎下腺でも左右のあごの下を触るとぐりぐりと触れることができます。左右同じようなぐりぐりが触れるようなら正常な顎下腺を触っている可能性があり、その場合は病気ではないのでご安心ください。左右で明らかに大きさや硬さが違うようでしたらこの病気の可能性があります。
このように治療していきます
診察では良性か悪性かわかりにくい場合が多く、手術で腫瘍をとって病理検査に提出し、最終的な診断や治療方針が決まることが多いです。
この病気を治療する時にやっかいな点は、顎下腺の近くに大切な血管や神経がいくつか通っているという点です。あごの下を触るとドキドキと拍動が触れると思いますが、これは顔面動脈という太い動脈で、その近くには顔面静脈も走っています。下くちびるを引き下げる神経(顔面神経の下顎縁枝(かがくえんし))、舌の感覚をつかさどる神経(舌神経(ぜつしんけい))、舌を動かす神経(舌下神経(ぜっかしんけい))なども顎下腺の近くを走っています。手術の際はこれらを傷つけないように行う必要があります。
前述の通り正常な顎下腺であっても触ることができるという点もやっかいですが、迷ったら耳鼻科を受診して診察を受けることをおすすめします。