扁桃炎
扁桃炎
扁桃炎とは…
扁桃腺は正式な用語としては口蓋扁桃(こうがいへんとう)、または単に扁桃(へんとう)と言います。
扁桃腺に細菌がくっついて痛みが出たり高熱が出たりする病気です。痛いのを我慢していると炎症が扁桃腺の周りに及んで扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)や急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)などといった重い病気に発展してしまいます。これらの場合、緊急で手術をしないといけないことがあります。
こんな方は要注意!
・のどがとても痛くて水を飲むのもつらい
・のどが痛くて高い熱が出る
・とてもだるい
この病気の原因は
扁桃腺はのどにある免疫(めんえき)組織の一種ですが、体質的に扁桃炎を起こしやすい方と起こしにくい方がいます。また稀なケースではありますが、ペットなどに口の中を日常的に触られているうちにのどに傷がついて扁桃炎になることもあります。口の中は清潔に保つことをおすすめします。
このように治療していきます
早めであれば抗生物質(細菌を殺す薬)の飲み薬で治すことができます。ただし重症の扁桃炎の場合は、入院または通院での抗生物質の点滴が必要になることもあります。
体質的に扁桃炎を繰り返してしまう方には扁桃腺を取る手術(口蓋扁桃摘出術、こうがいへんとうてきしゅつじゅつ)をおすすめすることがあります。目安としては1年に4回以上繰り返してしまう場合ですが、厳密に4回以上起こさなければならないわけではありません。手術の場合は約1週間の入院が必要になりますので、クリニックではなく病院での治療になります。
扁桃腺はのどの免疫組織なので手術で摘出しても大丈夫なのか?と不安になる方もいらっしゃいます。しかし人間の体には扁桃腺以外の免疫組織がたくさん発達しており、扁桃腺が担っている役割は小さく、免疫には影響しないと言われています。実際に扁桃腺を摘出する前とした後で免疫にかかわるタンパク質(免疫グロブリン)の量は変化しなかったという研究結果があります※。
手術が必要かどうかのご相談はクリニックで可能ですので、何でもご相談ください。手術をすることになった場合は病院へ紹介状を作成いたします。
※坂倉ら『扁摘の免疫グロブリンにおよぼす影響』 耳鼻臨床68;9:1103~1110,1975