甲状腺腫瘍
甲状腺腫瘍
甲状腺(こうじょうせん)とは首の前に部分にある蝶ネクタイのような形をした臓器で、人間の体の代謝にかかわるホルモンを分泌しています。甲状腺腫瘍はこの甲状腺に腫瘍ができる病気です。
どのような症状が出る?
首の前のしこりやのどの違和感が出て気づく場合が多いです。進行してくると声を出す神経である反回神経(はんかいしんけい)が麻痺して声のかすれも出てくることがあります。また前述の通り甲状腺は人間の体の代謝にかかわるホルモンを分泌する臓器ですが、甲状腺腫瘍は甲状腺ホルモンを分泌しない場合が多いので、意外と甲状腺ホルモンは正常のことが多いです。比較的まれですが、甲状腺ホルモンを分泌する腫瘍ができている場合はプランマー病と呼ばれます。
このように治療していきます
触診で甲状腺腫瘍があるかないかはわかることが多いですが、正確に腫瘍の場所やサイズを測るにはエコー検査やCT検査、そして腫瘍に針を刺して細胞を採取する細胞診が必要です。
悪性の場合、サイズがごく小さい場合は手術せず経過観察することも可能ですが、基本的には手術です。進行や転移している場合は首のリンパ節も掃除する手術も同時に行う場合もあります。
良性の場合は基本的には経過観察も可能ですが、サイズが大きすぎて気管など周囲の臓器を圧迫している場合や、首にボコッと腫瘤が見えて見た目の問題がある場合は手術で摘出します。また前述の細胞診で良性と出た場合でも、手術で摘出した腫瘍を調べたら悪性が出てきたという場合もあり得ます。
甲状腺腫瘍は悪性であっても進行がゆっくりである場合が多いですが、まれに癌細胞が未分化癌となり急に進行が早くなる場合があります。この病気になった場合、数日単位で進行することもあるため、発見が遅れると完治は難しくなります。
首の前にできものがあると感じられた場合は決してほったらかしにせず、耳鼻科を受診するようにしてください。